当寺は天台宗です。宗祖伝教大師さまの教えをいただいております。根本経典としては妙法蓮華経。
そして四宗兼学(円・密・禅・戒)として、法華経、密教、座禅、念仏等の教えに基づいて出家及び在家の菩薩、仏への道を目指していきます。
伝教大師最澄像
円とは円教(えんぎょう)。完全円満な教えのことです。天台宗では『法華経』の教えのことです。与楽寺でも『大乗妙典』として法華経全巻が伝わっております。
日常勤行では、第16章「如来寿量品」の偈文(いわゆる自我偈)、第25章「観世音菩薩普門品」(いわゆる観音経)などをお唱えしています。
密とは密教(みっきょう)の教えのことです。最澄さまが唐にわたり密教を持ち帰られました。その後円仁さま円珍さまがさらに唐にて詳しく学ばれ、台密(たいみつ)という密教の流れが完成しました。
與楽寺には二つの曼陀羅が伝わっています。仏様を象徴する文字・種子(しゅじ)で書かれた「種子曼荼羅」です。
密教法具 五鈷杵。金剛杵ともいう。
金剛界曼荼羅。各尊を象徴する文字「種子」で描かれている。中心は大日如来。取り巻く4体の如来は阿閦如来、阿弥陀如来、宝生如来、不空成就如来。この五体で仏の五智を象徴する。
天台宗では、天台大師様以来禅を重要視してきました。座禅止観ともいい、呼吸を整え、体を整え、心を整えます。
與楽寺においても随時座禅指導を行っております。
「戒」とはよき生活習慣のことです。僧侶としての自らに課するいましめ、誓いのことです。天台宗では梵網経所説の十重・四十八軽戒(十の重大ないましめ、48の軽いいましめ)の受持を本旨としています。
與楽寺ご本尊は薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)様です。お薬師様は医療や癒しを司る仏であり、特に病気の治癒や健康を願う人々から広く信仰されています。
当山薬師如来は座像の秘仏ですが、お前立のお薬師様は立ち姿で左手には薬壺を持っています。この薬壺には、病気を治すための薬草が入っているとされています。
「十二の誓願」を持ち、すべての生きとし生けるものの苦しみを取り除くことを誓っておられます。
與楽寺の長い歴史の中で常に人々の苦しみを癒し続けてきた仏様です。